山口大学大学院医学系研究科病態制御内科学(第三内科)

谷澤 幸生

山口大学理事・副学長、大学院医学系研究科教授

 

谷澤 幸生Yukio Tanizawa

私たちの教室は山口大学医学部の前身である山口県立医科大学の国立に移管に伴い、臨床病理学講座を母体として、昭和42年(1967年)、初代柴田進教授により内科学第3講座として開設されました。翌昭和43年(1968年)には、附属病院に第3内科が新設されています。その後、三輪史朗教授、兼子俊男教授、岡芳知教授に受け継がれ発展し、平成14年(2002年)5月1日より、谷澤幸生が第5代教授に就任いたしました。その間、平成13年(2001年)に医学と工学が融合した大学院独立専攻系として山口大学大学院医学研究科応用医工学系専攻が開設されたことに伴い、内科学第3講座は大学院に移行し、分子病態解析学専攻として衣替えをしました。更に平成18年(2006年)春、大学院の組織変更に伴い、病態制御内科学と名称を変更しています。平成28年(2016年)には再度の組織改変により、山口大学大学院医学系研究科医学専攻病態制御内科学講座となっています。平成29年(2017年)には開講50周年の記念式典を盛大に執り行いました。 病態制御内科学講座(旧内科学第三講座)は内科の臨床講座で、診療部門では、附属病院第3内科として糖尿病、内分泌・代謝疾患、血液疾患を中心とした診療を担当しています。以下、私たちの講座をより平易で慣れ親しんでいる第3内科と呼ぶことにします。 第3内科は開設以来、誠心誠意、高度で、かつ優しい医療を提供することをモットーにしています。メンバーは診療、教育、研究に文字通り寝食を忘れて取り組む熱血集団として内外に評価され、また、それを誇りとしています。診療面では、内分泌・代謝疾患、中でも糖尿病は最も重要な生活習慣病の一つであり、日本でも急増していますが、種々の合併症を予防し、進展させないために「入り口を固める」よう全身にわたる総合的診療に取り組んでいます。近年、多数の新しい薬剤が開発され、また、外来でも持続的な血糖モニタリングが可能となり、プログラマブルな携帯型インスリン注入ポンプがめざましく進歩するなど、糖尿病治療も高度化しています。今後、IoTを活用した診療もどんどん進んでいくことが予想されます。血液疾患診療では、昭和58年(1983年)に西日本で初めて骨髄移植を成功させて以来、すでに同種造血幹細胞移植症例は380例以上を数え、血縁、非血縁(臍帯血を含む)ドナーからの移植医療を積極的に行い、造血器疾患の予後改善に貢献してきました。最近の造血幹細胞移植の進歩にはめざましいものがあります。山口県唯一の骨髄バンク認定移植施設でもあります。また、造血器疾患の病因・病態の分子・細胞生物学的理解の進展により、数多くの分子標的療法が開発され、血液病学は基礎的研究の臨床へのトランスレーションがもっとも進んだ分野ということが出来ます。 優れた臨床は、優れた基礎研究に裏打ちされていなければなりません。研究面では、日常診療で取り扱う疾患を分子のレベルに掘り下げて理解し、治療法、予防法を確立することを目指しています。血液疾患、内分泌代謝疾患ともに、発症素因を遺伝子レベルで理解し、患者個体で生じている病態を細胞・臓器レベルで解明し、優れた研究業績を世界に向けて発信してきました。米国の研究室との共同研究により糖尿病と視神経萎縮を合併するWolfram症候群の原因遺伝子を世界に先駆けて同定したことも教室の特筆すべき業績の一つです。当科での分子レベルでの疾患解析はすでに初代柴田教授の下での異常ヘモグロビンの解析に始まり、遺伝子レベルの研究も1980年代前半からいち早く取り入れています。広い視野を持ち、世界に通じる研究を展開するため、国内外の一流研究施設への留学生の派遣も積極的に行っています。 人材の養成は大学の重要な使命の一つです。学部教育、大学院教育、卒後臨床教育を含めて、私たちは、人を育て、同時に自分自身も成長したいと、いつも思っています。地域の医療に貢献できる人材、医学、医療の研究開発に貢献する人材の育成のために、教室員一同、切磋琢磨しながら自らを磨くよう日々研鑽しています。世の中全体が変革を求められる大きなうねりの中にあっても、常に輝き続ける「ほんもの」を目指しています。 このホームページを訪ねてくれた患者さんへ。私たちが担当する診療の内容等については、附属病院、診療科のホームページもご参照ください。 学生、研修医のみなさん。自らの頭で考え、新しい方向を切り開いてゆく、バイタリティーあふれる内科医を目指すあなたを求めています。私たちのメンバーに気軽に声をかけてください。